
第三回 東京都伝統的工芸 チャレンジ大賞 出展作品について
もう一度、お話をしておこうと想います。
ご来場下さった皆様、ありがとうございました。
さて、画像の通り
羽が「江戸七宝」となっております。
ご担当頂いたのは、
坂森七宝工芸店 店主 坂森氏による焼成です。
通常、七宝は、下地になる「胎」(たい)と呼ばれる物が必要です。
普通、銅が用いられます。
しかし、今回は、純銀の胎を使っております。
熱を加えると白くなる銀の性質を利用して
ガラス面を透過して、銀の胎で反射させるので
綺麗で、透明感のある仕上がりになっております。
また、焼いたあとに、反りが出ます。
ガラスの収縮による物です。その為、胎にはアールをつけ
アーチ型に銀の胎を変形させております。
その、打ち出しは、二代目信重が担当しました。
焼成は実に20回以上も重ね焼きされていて
手の込んだものです。
中心に輝く玉は、
「とんぼ玉」です。
遠くメソポタミヤ文明に起源とされる
大変古い技法です。
帯留めなどにも多く見られますね。
今回は、TVチャンピオンで、準優勝された経歴をお持ちの
蜻蛉玉 丙午 主幹:小暮氏のランプワークによる物です。
細かい技法で、芯には、金が施され、ガラスの奥で光っております。
そこはかとなく、雅な蜻蛉玉です。
蜻蛉の胸部にふさわしく、卵形に整形してつくって下さっています。

そして、贅沢な逸品として銀でまとめるという事で
当工房
二代目 小島 信重が、銀細工を担当しました。
繊細で壊れやすい、七宝と蜻蛉玉をまとめるのは容易では有りませんでした。
デザインは、私、信一が担当しましたが、
信重と常にその場で相談出来る環境故になせたなと、考えております。
そこで、蜻蛉玉を軸に頭部と腹部をねじ込む事を考えました。
次に、七宝の羽です。
それを付けるため、蜻蛉玉の下半分を覆うカバーをつくり
そこに、羽をフックで止めると言う、大変難しい事に挑まねば
なりませんでした。

まず、蜻蛉玉に寸分狂わず、合わせて、鎚起の技術で作ります。
これだけで1週間掛りました。
そして、装飾もほどこし、透かしを入れ、玉が裏からも見えるように
しました。
しかし、上からは、この心臓部はまったく見えません。
見えない所に、技術が集約されております。

台座部分は、ロシアのロマノフ王朝時代のお抱え飾り職の、ファベルジェの
イースターエッグの台座をモチーフにして、純銀を使って
製作したものです。
今回の詳細説明にて、良くお分かり頂けましたでしょうか?
展示に工夫をもっと施せば良かったとも悔いております。
しかし、三者三様の技術を、一つにまとめるチャレンジ精神。
七宝、トンボ玉作家さまの協力で成せたことお伝えしました。
この、作品は、条件が整い次第、販売の予定になっております。
売るとなると高額が予想されます。
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